top of page
検索

暗記方法について

  • 片桐
  • 2018年5月16日
  • 読了時間: 6分

よく生徒から言われることに、「どうやって覚えればいいのか?」というものがあります。いわゆる暗記の方法ですね。いつも伝えていることがあるので、皆さんの参考になればと思います。

よく「書けばいい」と言われますが、まず「書く」作業は、

・書く場所

・書く道具

が必要ですね。勉強嫌いの子は、まずこのハードルを超えるのが大変かもしれません。机に向かって、何度も何度も同じことを繰り返し書くことは、あまり楽しいものではありませんね。で、その効果はというと、たくさん書いた割には定着が少なくて、結果、心が折れてしまうことが多々あります。

書くということについては、まず意識が大切です。例えば単語を5回書くと決めたら、5回以内で必ず覚えるつもりで取り組むことが大切です。この書く回数は、少ないほうがたくさんの単語を覚えられるわけですが、何となく見ていて思うことは、「覚える<書くこと」になっていることが多いということです。例えばノートの端から端まで単語で埋めていると、埋めるという作業がメインになって、「覚える」以上に「書く」作業に一生懸命になっているように見受けられます。

達成感は得られますが、実になっているかは怪しいです。バットの素振りと同じですね。何も考えずに1000回ブンブン振り回すよりは、ひとつひとつフォームを確認しながら、ちゃんと素振りをする目的意識を持って50回振るほうが、たぶん効果的かと思います。時間も短く済むと思いますしね。

だから書いて覚えるときは、例えば「5回で絶対に覚える」と脳を働かせながら練習することが大切です。書いた量と記憶量は全然比例しませんので、まずそこを抑えておきましょう。

そして、なにも「書くこと」のみが最善の暗記方法ではありません。先述の通り、書く道具や場所が必要なので、なかなか気が進みません。では、どうするか?

例えば「見て」覚えるのはどうでしょうか。これなら単語帳などさえあれば、どこでも取り組めます。でも「見る」ことだけで、果たして暗記はできるのでしょうか。やってみないと分かりませんね。でも、もし「見る」ことだけで覚えることができたら、これって「書く」ことよりももの凄いアドバンテージだと思いませんか?

要は「書く=暗記」の思考停止状態になっていませんか、ということです。

駅で電車が来るまでの待ち時間や、テレビで次の番組が始まるまでの間や、授業の休憩時間などの、隙間時間で、さっと単語帳を出せば暗記作業をしやすいですよね。隙間時間って一日で結構ありますよ。後述しますが、暗記は反復作業が非常に大切なので、1時間でしっかり覚えて、隙間時間の10分間で覚えたかどうかを一日に何度も確認することはものすごく効果的です。暗記は「書く」ありきではないので、「見て」覚えることも試してみてはいかがでしょうか。

またスマホやタブレット端末を持っている方ならば、アプリを使うこともありかと思います。無料でたくさんの有益なアプリがダウンロードできます。私自身、良いものがないかよく探しているのですが、最近ではSTUDIO ms32さんの「HAMARU」は非常によくできているなと思いました。計算と英単語の2種類がリリースされていますが、どちらも、・時間制限がある ・爽快感、達成感がある ・集中力が必要 など、暗記に必要な要素を満たしていると思われます。あと単純に面白いので継続しやすいのも◎です。app storeやgoogle playでダウンロードできますので、良ければ試してみてください。

暗記は大変ですが、これを少しでもラクに、また少しでも楽しくできれば、勉強方法は確立できたも同然です。「書く」ことのみで効果があれば問題はないのですが、なかなか思うような成果が得られない場合は、「書く量を増やす」のではなく、取り組む意識を変えるか、手法自体を見直すことが大切です。方法はいくつもあります。アプリのようなものは、私が生徒の頃はありませんでしたが、もしあったら絶対使いますよ(笑)。便利だし、楽しいし。使わな損なものが溢れておりますので、ぜひ面白そうなものを探してみてください。

最後に手法以上に大切なことがあります。それは「反復」と「検証」です。なんだと思われるかもしれませんが、「反復」「検証」の作業回数は、おそらく皆さんが思っている以上に必要であるということです。

人間は(私だけではないと思いますが。。)、日々膨大な量の事柄を忘れていきます。この記憶については、「長期記憶」「短期記憶」という言葉を聞いたことがある人もいるかと思います。

「長期記憶」は基本的には永続的な記憶のことになります。例えば自分の名前や、印象的なエピソード、面白かった本や映画のあらすじなどは、滅多に忘れませんね。あと奥さんの誕生日など(笑)、忘れると大変なことになると思われるものも、脳が「自分にとっては大切なデータだ」と思って、いつでも取り出せる大きなタンスにしまっておいてくれます。これはすごく感動したことや、心を揺さぶられた事柄に対して、脳が「長期記憶」の札を貼ってしまってくれるのですが、同時に繰り返した事柄についても、「長期記憶」の札を貼ってくれます。たぶん「何度も繰り返し記憶しようとしているので、きっと大切なことなんだろうな」と脳が思ってくれるのでしょうね。

「短期記憶」は一時的な記憶です。頼まれた買い物リストや今週末の予定などは、脳が「短期記憶」の札を貼って、あまり脳内の邪魔にならない小さなタンスにしまってくれます。短期間であれば、そのタンスがどこにあるのか把握できているのですが、一旦その役割を終えてしまえば、タンスは広い脳内であっという間に行方不明になります。だからテスト前の一夜漬けは、こっちの「短期記憶」に仕分けられしまうので、テストが終わるときれいに忘れます。

しかし勉強で必要な知識は、「長期記憶」でなければ困るわけです。ではどうすれば「短期記憶」から「長期記憶」の札を貼ってもらえるのか。お判りですね。「反復」「検証」です。

例えば20個の単語を覚えようとしたら、朝昼晩の3回繰り返しましょう。前述のとおり、覚え方はなんだっていいのです。そして必ず自分でテストをして、手法が実になっているか、もっと有益な方法がないか「検証」をしてください。「反復」「検証」に必要な時間は、1回あたり10分~15分程度に収めたいので、最初は少なめから初めて、徐々に量を増やしていきましょう。

これを1週間続けます。

「そんなに」と思うかもしれませんが、覚えて忘れてを6回ほど繰り返すことで、ようやく「長期記憶」と扱われるようです。この「6回」は、個人的にも実感できる数字です。暗記が苦手とか全然覚えられないと思っている子は、たぶんここまで反復していないと思われます。2,3回で忘れないようになったら、むしろ暗記のセンスが相当あると思ってください。繰り返します。我々は忘れることが当たり前なのです。日々のストレスを軽減するためにも、人間にとって必要な生理現象なのです。

6回って・・・簡単ではないですね。だから手法が大切なのです。なるべくラクに、楽しめるやり方でないと継続が難しくなりますよね。別に昔ながらの方法が最善とは限らないのです。「学問に王道なし」は良く理解できるのですが、身の回りのインフラはどんどん整備されているのに、どうも勉強方法は、なんだか昔からちっとも変っていないように思えてならないのです。苦労が前提になっているように思えてならないのです。もっと効率よく、合理的な方法を探しても良いと思いますし、それを提案することが、我々大人の役割だともいえます。

以上、参考になる部分があれば嬉しいです。

最新記事

すべて表示
9/18(土)は休校日です

明日9/18(土)は、台風接近のため休校日にさせていただきました。 土曜日自主学習会もお休みとなります。

 
 
 
2020年度スタート

久しぶりの更新です。 4月から新年度がスタートして、新しい先生に、生徒たちは緊張しているように思われます。 いつも通りの風景なのですが、今年は3月からの休校続きで、皆一様に別の不安があることが感じられます。最初は休校を喜んでいた生徒も、一体いつから始まるのか、夏休みや学校行...

 
 
 
お知らせ(人事)

11/9(土)付で新舞子校の教室長は片桐へ変更となりました。それに伴う授業担当講師などの変更は一切ございません。

 
 
 

Comments


Man to Man

We discover the individuality of each student and teach in earnest.

bottom of page